薬剤師がサプリメントについて知っておいたほうがいい理由

健康維持に欠かせないサプリメント

健康補助食品または、栄養補助食品として知られるサプリメントは、今や私たちの健康維持に欠かせないものとして認知されています。
サプリメントが注目される理由には、国民全体の健康意識の高まりがありました。
その背景には、私たちの平均寿命が延びたことも一因です。

一昔前までは、人生50年ともいわれていましたが、今や日本人男性の平均寿命は81.41歳、女性が87.45歳までに伸びています。
一方で、男性の健康寿命は 72.14歳、女性の健康寿命は74.79歳とされています。
健康寿命とは、自立して過ごせる期間のことで、いかにこの健康寿命を延ばすかが、今後の課題とされています。

サプリメントの種類について

サプリメントが、栄養補助食品と呼ばれるのには理由があります。
人間の体を、機能維持させる栄養素には、三大栄養素と呼ばれる炭水化物/たんぱく質/脂質と、ミネラルなどの無機質とビタミンなどは欠かすことのできない存在です。

これらをひっくるめて、五大栄養素と呼んでいますが、加齢による新陳代謝の低下で、どうしても栄養素が足りなくなってしまいます。
そこで、補助的に必要となってくるのが、サプリメントの存在というわけです。
サプリメントには、ビタミンやミネラル、アミノ酸など栄養摂取目的のほか、生薬や酵素、ハーブなどの成分による薬効も期待できます。

サプリメントは不調のサインかも

健康に関する補助的な意味合いからも、薬剤師としてはサプリメントに対する理解力を深めていかなければなりません。
なぜなら、サプリメントの中には、処方されているお薬に対して、プラスな働きやマイナスの働きをする成分が含まれている可能性があるからです。
例えば甘草ですが、漢方薬の約7割に配合されていることが知られています。

生薬由来の漢方は、副作用がないと安心されている方も多いことから、誤った使い方でかえって病気を悪化させるということもあります。
甘草は甘味料で使われているほか、抗ウイルス作用など様々な効果があります。
しかし副作用として、手足の脱力や血圧の上昇もありますので、薬の飲み合わせにも注意が必要となるわけです。

分からなければ調べてから伝えることも大切

最近は、サプリメントを服用されている方も多いことから、薬局でも患者さんからの質問が多いと聞きます。
薬剤師から見れば、サプリメントは専門外の分野ですが、健康サポートの一貫として対応する必要に迫られているのも事実です。
詳しく知る必要こそありませんが、最低限世間一般のニーズとして、サプリメントについて深い知見をもつのも、これからの薬剤師の在り方です。

ただし、すべてをその場で答えるのではなく、わからないサプリメントに対しては、後日調べてから伝えましょう。
また、なぜそのサプリメントを利用しているのか、目的や利用なども聞いておくと、後日アドバイスがやりやすいでしょう。