「禁忌肢」の対策どうしよう?
禁忌肢とは
禁忌肢と漢字だけで表記すると、何やら怪しいもののように感じてしまいますが、禁忌肢とは国家試験など重要な試験などで用いられるものです。
読み方は「きんきし」で、試験問題で一定数誤答をした場合、即座に不合格となってしまう恐ろしい選択肢です。
なぜこのような禁忌肢があるのかというと、人命にかかわるまたは、法律違反に問われてしまうなど、重大な誤りについては厳しい判断を行う必要があるからです。
これまで、禁忌肢を導入していた国家試験としては、医師国家試験の禁忌肢がよく知られています。
医師の判断は、直接患者の生死を左右する事もある為、このような禁忌肢により、厳しい試験規定が盛り込まれているのです。
薬剤師国家試験に「禁忌肢」が初導入
禁忌肢は、正確には「禁忌選択肢」と呼ばれるものです。
これまで、医師国家試験のテストに導入されていましたが、この医師国家試験の合格基準を簡単に説明しておきます。
『絶対評価』
・必修問題で8割以上得点すること
『相対評価』
・必修以外の一般および、臨床問題で合格基準点以上を得点すること
『禁忌肢』
・禁忌選択肢の選択数が3つ以内
つまり、医師国家試験に合格する為には、この3点をすべてクリアする必要があるわけです。
ちなみに、医師国家試験の場合、「患者の死などにつながる選択肢」及び、「医師として遵守すべき法律に抵触する選択肢」が禁忌肢にあたります。
この禁忌選択肢ですが、2019年から新たに、薬剤師国家試験にも導入されることになりました。
なぜ禁忌肢を導入するのか
なぜ、これまで医師国家試験にのみ行われてきた禁忌選択肢が、薬剤師国家試験にも導入されることになったのか。
それは薬剤師も、公衆衛生や患者に対して、重大な被害や障害を与える危険性があるからです。
薬剤師国家試験のあり方に関する、基本方針から抜粋すると、以下の4点が該当するとされています。
・倫理的に誤った内容
・法律に抵触する内容 など
これまで、病院で処方されていたお薬は、医療施設と薬局が分離されることになりました。
これからは、かかりつけ薬剤師制度の導入など、薬剤師を取り巻く環境は大きく変わりました。
患者さんとの、個人的な関わりも多くなってきているため、これらの対応力も重要となります。
禁忌肢の対処法
これまで、薬剤師国家試験のボーダーラインとしては、正解するが65%とされていました。
しかし、禁忌肢の導入により、65%の正解率であっても、不合格になる可能性が出てきました。
このような問題は「ドボン問題」と言われています。
総得点では基準に満たしていても、場合によっては不合格になってしまう場合があるため、禁忌肢の対処法としては、あらかじめ禁忌肢を選ばない、ということも大切です。