富山の薬売りと、揃えておきたい常備薬7選
コロナワクチン接種後の副反応に備え、市販の鎮痛剤・解熱剤を買いに薬局に駆け込んだというかたも少なくはないでしょう。
ばんそうこうや熱さまシート、胃腸薬や頭痛薬などの常備薬を揃えている家庭は増えましたが、中にはわざわざ揃えたものというよりは、一度購入した薬の、のみ残しや使い残りがばかりというかたもいるかもしれませんね。
手に届く場所に常備薬をおいておく習慣が根付いてった歴史や、揃えておいた方がよい常備薬について紹介していこうと思います。
富山の薬売り
常備薬が広まったのは江戸時代の「富山の薬売り」からだとされています。
「富山の薬売り」とは日本全国の家庭へ家庭薬を行商で回る人のことです。
その際販売していた「越中反魂丹(えっちゅうはんごんたん)」という薬が有名になり、富山は薬で有名な県になりました。
「越中反魂丹」とは富山を代表するの胃腸薬で、食べすぎ、飲み過ぎ、消化不良などの症状に効果的な「和漢薬」です。
「和漢薬」とは日本に生息する植物や動物や鉱物などの生薬と、中国に生息する生薬とを合わせて作られた薬のことで、今でも富山大学では和漢医薬学の研究に力を入れています。
富山大学の和漢医薬学研究所
画像出典:和漢医薬学総合研究所
富山大学の医学部は、富山市内の富山大学杉谷キャンパスにあります。
富山市内は自然に囲まれた土地。北アルプス北部の、立山連峰のふもと、水深1,000メートルと大変深い富山湾に面した、環境豊かな場所に位置しています。そんな杉山キャンパスの中に和漢医薬学総合研究所はあります。
和漢医薬学総合研究所では、世界各国の漢方医薬に関する資料が集められており、和漢薬の新薬も開発されているまさに漢方の発信地といえる施設です。
和漢胃腸薬「エッセン」
画像出典:富山オリジナルブランド医薬品第2弾 『エッセン (越撰)』 新発売のお知らせ – 製品情報|株式会社広貫堂
富山大学と民間企業そして官公庁が協力し合う、産学官で制作した和漢胃腸薬の「エッセン」があります。
「エッセン」の特徴は飲み過ぎ、食べ過ぎの対処法というより、食欲不振な高齢者や患者が服用し、食事をとれるように回復することで健康を取り戻すといったアプローチから開発された新しいタイプの胃腸薬です。
富山大学で漢方を学びたい
富山大学はさまざまな分野でも先進の学びと研究が行われていることでも有名ですが、伝統的なくすり業の知見の蓄積があり、その技術を世界へ発展していく人材育成に力を入れた大学です。
和漢薬について学びたいと思うなら、まさに聖地ともいえる富山大学がよいでしょう。
学校の周辺には学生が生活しやすい設備が備わった富山大学学生マンションも立ち並んでいます。
富山大学
国立大学法人富山大学のウェブサイトです。富山大学の紹介をはじめ、学部、大学院、研究所、センター、各施設等の案内、入試情報、産学官連携情報、キャンパスの最新情報まで、富山大学に関する情報を掲載しています。
緊急時に役立つ揃えておきたい常備薬7選
では次に、もしもの時にぜひ揃えておきたい常備薬について紹介していきましょう。
緊急時に備えて次の7つの常備薬を揃えておくとよいでしょう。
- かぜ薬
- 鎮痛薬
- せき止め
- 胃腸薬
- 整腸剤
- 殺菌消毒薬
- かゆみ止めの薬
かぜ薬
かぜ薬にはひき始めとつらい症状が出てしまった時2種類を用意しておくとよいでしょう。
ひき初めには葛根湯(かっこんとう)の成分が入ったかぜ薬がよいでしょう。
つらい症状の際には、症状に合わせた薬を選ぶ必要がありますが、総合風邪薬を常備薬としましょう。
鎮痛薬
高熱が出て下がらない時には解熱鎮痛剤を、頭痛など我慢できない痛みには鎮痛剤を備えておきましょう。
ただし、ぜんそく等の持病がある方は服用できないことがあるので、あらかじめ確認しておきましょう。
せき止め
夜中に咳き込んでしまった場合など緊急の時に用意しておくとよいでしょう。
せきには3つの発症から続く日数で3つに分類されます。
- 始まり~3週間以内……「急性咳そう」
- 3~8週間……「遷延性咳そう」
- 8週間以上……「慢性咳そう」
です。
長引くせきは危険な場合もあるのですぐに医師にかかるようにしましょう。
胃腸薬
食べ過ぎ、飲み過ぎでつらい時に胃薬を常備しておくとよいでしょう。
また、食欲不振で気になる時は上記の「エッセン」などもおすすめです。
整腸薬
急な腹痛やどうしても下痢の症状が止まらないとき、とても困りますよね。
「正露丸」や下痢止めなどの整腸薬は必ず常備しておきましょう。
殺菌消毒薬
特に小さなお子さんがいるご家庭には用意しておきたい殺菌消毒薬。
擦り傷や切り傷にすぐに消毒しておくことで、傷の直りが早くなったり、傷口がきれいになおったりします。
かゆみ止めの薬
虫刺されや、じんましんなどかゆみに苦しめられた人も多いのではないでしょうか。
真夜中にかゆみがおさまらず、一睡もできないということが無いように、かゆみ止めの薬も常備薬として揃えておきましょう。
まとめ
日本では「富山の薬売り」から常備薬の文化が広がりました。そんな富山県では今でもくすりのことを学ぶのに適した富山大学が有名です。
富山大学では和漢医療学が盛んで、最も進んだ和漢医療学を学ぶことができるでしょう。地方といってもとてもいい環境に恵まれ、生活しやすい街にある大学なので、興味のある学生は富山大学をチェックして見ることをおすすめします。また、そんな常備薬の文化が根付いた昨今でも、どんな常備薬を揃えておくべきか分からないという方もいるのではないでしょうか。
最後に
現在は24時間ドラッグストアが開いていたり、身近に薬を買い求めることができるようになったりしてのであいまいになってしまったのかもしれません。そこで今回、改めてどんな常備薬を揃えておくべきかを紹介しました。
常備薬には使用期限の超過に気をつけ、年末や年始など、1年に1度チェックする日を決めておくようにしましょう。
参考記事:「風邪には効かない!抗生物質の用途と使い方」